名古屋工業大学(先端医用物理・情報工学研究センター長(教授)・平田晃正、小寺紗千子特任助教、大学院生・西村卓、卒業生・長谷川一馬、情報工学専攻・竹内一郎教授)、東北大学サイバーサイエンスセンターの共同研究グループは、東京都、大阪府、愛知県を対象として、気象データと計算シミュレーション技術を融合することにより、一日当たりの高齢者の熱中症搬送者数を予測可能なモデル式の提案に成功しました。
 気象情報を入力データとし、詳細な人体モデルを対象として大規模シミュレーションにより計算された発汗量、体温上昇をもとに、熱中症搬送者数を都市ごとに予測します。また、従来、搬送者数と関連があるとされてきたWBGTや外気温を用いても、一定の精度で搬送者数を予測できることも確認しました。
 これまでも、熱中症発症リスクは、当日の気温の高さはもちろん、連続した暑熱によっても影響があるのではと考えられていましたが、高齢者では当日のみでなく前2日間の気象条件が影響すること、また、成人では当日の暑さが直接的な要因となることが、科学的に立証されました。 
 今後、熱中症リスクの低減に向けた啓発活動に利用していくこと、また、救急搬送される患者数の推定などへの応用が期待されます。

現在までに、中日新聞、時事通信配信(日経新聞、日本農業新聞)、CBC、NHKなどに掲載、放送いただきました。

https://www.nitech.ac.jp/news/press/2019/7579.html