名古屋工業大学の研究グループは、新型コロナウィルスの感染拡大・収束について、2020年3月から2021年6月末までの都府県ごとの移動データおよび気象データを学習することにより、新規感染者数の予測を行いました。人工知能関連技術の深層学習(ディープラーニング)のうち、時系列データの取り扱いに強みを持つLSTMとよばれる回帰型ニューラルネットワークを適用し、人流の減少幅および気象の時系列データなどを入力し、以降一か月にわたる一日ごとの新規感染者数(1週間平均値)を学習、予測に応用しました。東京都、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府、福岡県を対象とし、データを規格化することにより、変異株の影響が大きくない状況であれば、約80%の精度で予測可能となりました。また、アルファ変異型出現後のデータより、新規変異株に十分な予測精度を持たせるためには、約4週間のデータ蓄積が必要であることがわかりました。そのような場合には、潜伏期間を含めた過去1週間の人流増減率の統計値により、実効再生産数を概算、目安となる人流増減率も算出可能です。6月30日現在までのデータから、人流変化が同じ条件下では、アルファ株、デルタ株の実効再生産数は、従来に比べて、それぞれ20~30%、20~40%大きいことなどがわかりました。

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