平田晃正センター長の研究グループは、2020年より、名古屋市消防局と熱中症搬送者のデータ分析に関する共同研究を開始しました。その共同研究の一環として、名古屋市消防局が取得した熱中症と考えられる搬送者ビッグデータと、本研究グループが開発した人体温熱シミュレーション技術を融合することにより、高齢者が熱中症を発症するメカニズムについて、横浜国立大学の協力を得て分析をしました。

その結果、熱中症を発症する高齢者の少なくとも 3 割以上の方に著しい体温調節機能の低下あるいは重度の脱水が生じることを科学的に裏付けました。また、脱水症状を伴う熱中症は、1 日に想定される発汗量から、数日間の脱水の蓄積によって生じることが示唆されました。今後、得られた知見を熱中症リスク低減に向けた啓発活動に活かしていく予定です。

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